最高裁判所第一小法廷 昭和25年(あ)1591号 判決 1951年3月08日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人水上孝正の上告趣意について。
第一点 所論は結局審理不尽又は事実誤認の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。又同四一一条を適用すべき場合に当るとも認めることはできない。
第二点 裁判資料に供されなかった証人の費用を訴訟費用として刑の言渡をうけた被告人に負担せしめることは違法でない。また訴訟費用の負担は刑ではないのであるから、所論刑訴四〇二条に違反するとの主張は当を得ない。所論は、結局適法な上告理由と認めることはできない。
よって同四〇八条に従い主文のとおり判決する。
この判決は裁判官全員の一致した意見である。
(裁判長裁判官 真野 毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎)